About Paradigm Shift
 

1.尊厳ある人生を世界中の人々に

 近年、医療の進歩には、目を見張るものがあります。不治と考えられていた多くの病に治療法が誕生し、病と共存しながら生き続けられる人々も増えています。ただし、医療費がどんどん高騰し、この流れに歯止めがかかる気配はありません。また、治療できるようになった疾病も、その多くが感染症や遺伝子変異・多型など単一の因子によって起きるものであり、胎児期からのエピゲノム修飾蓄積によって起きるような多因子疾患については、まだまだ治療法が足りません。
 さらに、寿命は延びたけれども、健康寿命が追い付かず、人生総仕上げの時期を不健康に過ごす人が多いという問題もあります。
 それでなくても高齢化の進展を背景に、医療費・介護費が増大し国民経済を逼迫させています。現在の流れが続けば、世界に冠たる国民皆保険制度は破綻せざるを得ません。世界を見ても、人口爆発と高齢化は日本同様に起こる問題であり、人々の健康な時間を延ばすことによって、医療・介護の対象となる人を減らしていく必要があります。

パラダイムシフトが必要だ

 私たちは、病気になってから治療するというこれまでの医療パラダイムでは、この問題は解けないと考えています。誕生から死に至る心体の変化と疾病の根本を捉え直し、発症前の適切な時期に適切な介入をすることで、多くの人々が健やかに老い、尊厳ある人生を最期まで全うすることができる社会を思い描いています。老いても健やかな尊厳ある人生を、私たちはHealthy Active Life(HAL)と呼ぶことにします。
 すべての人がHALをめざせる、そんな社会を、心体情報の解析技術、IoT、コンピュータ技術の進歩が実現可能にすると考えています。
 そのような社会の実現のため、私たちは進むべき道を模索し、方向を指し示すだけでなく自ら進みます。この道の周辺には、必然的に付加価値の高い新産業群がたくさん発生します。  
 この道を共に進みませんか。

協議会のめざすもの