About Paradigm Shift

2.なぜ、この道をめざすのか

 健康で長生きは人の自然な願いです。
 ただし、人生の意義を何に見出すかは人それぞれですから、健康という言葉の示す状態自体も、それぞれの人によって異なる、と私たちは考えます。つまり、人によって、求める状態が異なるということです。
 であれば、人々が健康であることをサポートしようとする私たちも、健康というものを再定義する必要があります。

健康を再定義する

 私たちの考える「健康」とは、この世に生を受けてから健やかに老いて死んでいく、その自然な流れからの逸脱が、各個人の許容範囲内に納まっていることです。
 当然のことながら、疾病を発症しないに越したことはありません。どこで逸脱が不可逆になるのか把握して、その前に効率良く介入する、という考え方に転換する必要があります。そのためには、個々人の生命活動の経過(ライフコース)が、どの程度「自然な流れ」から逸脱しているかを客観的に把握する手法の確立も必要です。
 探索の手法も変わらざるを得ません。仮説を1個1個検証していく手法では、「生命の自然な流れ」は浮かび上がってこないからです。得ることのできるデータを網羅的に集め、予断なしに解析することで、初めて「自然な流れ」が分かるようになります。
 ヒトゲノムの情報が完全に解読され、コンピュータの能力がどんどん向上している現代だからこそ、このような大がかりな解析に挑むことが可能になりました。そしてゲノム解析に要する費用や時間の変遷を見れば明らかなように、そういったライフコースの大がかりな解析も、やがてありふれた手頃なサービスになることでしょう。

医療のパラダイムシフトとは
これまでの医療は、胎児・乳児期の死亡率減少、感染症などの単因子疾患の克服において成果をあげるとともに、医療の高度化により著しい寿命の延伸を見た。当協議会は、新たに登場した生活習慣病を引き起こす諸要因について、胎児期から老年期に至る各世代のモニタリングデータの解析を結び付け、疾病の引き金となる慢性炎症の原因を究明する。それにより可逆的病期における先制的療法を確立し、医療・創薬での専門的探索に貢献する等、医療対象のパラダイムシフトを加速することを理念としている。
日本から発信するヘルスケア・レボリューション