About Paradigm Shift

4.まず、何をするのか

 パラダイムシフトの可能性は無限に広がっている一方、領域が広いだけに、座標軸がぶれてしまうと、何も達成できずに終わってしまいます。私たちは協議会の基本方針(HAL新井イニシアティブ)を踏まえて、まずは以下3つのテーマに精力を注ぎます。

細胞の機能・動態に基づく治療法の開発を行う

 私たちは、発達・加齢の過程において幹細胞(特に間葉系幹細胞)が果たしている様々な生理作用に着目しています。細胞の系譜と組織・臓器での動態を把握し、それらの成果を創薬に結び付けます。

免疫治療の個別化対応を行う

 がん治療において、手術・抗がん剤・放射線の三大療法に次ぐ第四の治療法として免疫治療はすっかり市民権を得ました。しかし、効く人と効かない人がいて、その違いが何なのか分かっていないなど完成形と呼ぶにはほど遠い状態です。生体の全データを網羅的に解析することによって、免疫療法はどういう状態なら効くのか、そういう状態にどうすればなるのかなど、より効果の高い次世代の免疫治療への端緒を掴みます。

IoT/ICTを活用し、生体変化を記録する仕組みを造る

 経験と勘がモノを言う医療ではなく、誰がやっても一定の結果が出る安定した医療を作り上げるため、まず生涯にわたる生体の変化を非侵襲的・多面的に計測しデータを蓄積します(このデータの蓄積を「パーソナルライフパスブック」と呼びます)。その前提となる計測・データ解析の技術開発に取り組みます。