当協議会は、2015年5月、「産官学の異分野融合によるイノベーション創出の仕組みづくりと実践」による保健・医療のパラダイムシフトを産業界・民間主導で推進することを目的として、発足いたしました。
当協議会では、故新井賢一元理事長の下に議論を重ねて「保健・医療のパラダイムシフト」によるHealthy Active Life (HAL)の実現を提唱しております。これはベンチャーから大企業まで多岐にわたる関連諸産業の育成、発展に資するものと確信しております。共感される皆様には本協議会にこぞってご参加いただきたくお願い申し上げる次第です。 理事長 宮島 篤
(東京大学 定量生命科学研究所 特任教授)
これまでの医療は、胎児・乳児期の死亡率減少、感染症などの単因子疾患の克服において成果をあげるとともに、医療の高度化により著しい寿命の延伸を見てきました。疾病に至る過程は人の社会的環境も大きく影響しています。当協議会は、新たに登場した生活習慣病を引き起こす諸要因について、胎児期から老年期に至る各世代のモニタリングデータの解析を結び付け、疾病の引き金となる慢性炎症の原因を究明します。それにより可逆的病期に於ける先制的療法を確立し、医療・創薬での専門的探索に貢献する等、医療対象のパラダイムシフトを加速することを理念としています。
当協議会は、個々人のHALの実現を目指し、21世紀における出生・成長・老化・疾病までを含めた「疾病中心から健康中心」へ、「医療機関中心から個人中心」へ、「社会工学と健康科学から見た新たな生活環境のあり方」へとする新しいプラットフォームを構築します。その中でP4医療(Predictive:予測・Preventive:予防・Personalized:個別化・Participatory:参加型)を確立し、“尊厳ある人生”の実現を図ります。
21世紀型保健・医療のパラダイムシフトとして、これまでの「疾病発症からの対応」ではなく「正常な生命過程」から疾病に至るまでの原因因子の把握やその過程の変化がある程度わかるようになりつつあります。これは遺伝子情報や心体の状態を調べる計測・分析技術の急速な進歩に加え、ウエアラブルセンサー等による生活情報把握の高度化によりP4医療に向けた基盤が整ってきています。こうした状況下、人の生涯にわたる心体の変化を多面的に計測し、データを蓄積するPersonal Lifepath Book(PLB)の構築が必要不可欠になって参りました。個々人のデータの起点として、人生最初の細胞である周産期間葉系幹細胞をバンクすることで、ライフコースにおける様々な影響を調べるとともに炎症抑制と細胞修復治療にも活用できることが期待されます。これに関わるベンチャー企業によるチャレンジを推進し、これをサポートするためのベンチャーキャピタルファンドを組成します。更に、産学官が連携するオープンイノベーションとして、実証実験の場(Proof of Concept:POC)を確保し、コホート研究的な場としての地域病院とも連携していきます。
HALの実現には、医療の分野だけでなくさまざまなパラダイムシフトがもとめられます。当協議会では、これらのパラダイムシフトに必要な戦略性の議論をより深め、技術ロードマップの提示を行っていきます。
組織名 | 保健・医療パラダイムシフト推進協議会 |
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